士業のホームページ制作|信頼を得る要素と広告規制・費用の注意点

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「ホームページから問い合わせが来ない」「同業の先生はネットで集客しているのに」——士業の先生方から、こうしたご相談を多くいただきます。
税理士・弁護士・社会保険労務士といった士業は、信頼が依頼の決め手になる仕事です。
だからこそホームページは、ただの事務所案内ではなく「信頼してもらうための入口」として設計する必要があります。

ただし、士業のホームページには一般の事業者にはない特別な注意点があります。
それが各士業会の「業務広告に関する規程・指針」です。
広告は原則自由になったとはいえ、何でも書けるわけではありません。
勝訴率や「税金ゼロ」といった表現は規程に触れるおそれがあり、場合によっては懲戒の対象にもなり得ます。

本記事では、弊社の制作現場の目線で、士業ホームページで信頼を得る要素と、各士業の広告規制で気をつけたいポイントを、断定を避けつつ整理します。
あわせて費用の目安もご案内します。
なお、規程や指針は改正されるため、最新の内容は必ず所属会の公式情報や専門家にご確認ください。

この記事でわかること
  • 士業ホームページの役割は「信頼を可視化して相談のハードルを下げる」こと
  • 信頼を生む要素は「専門分野・実績・料金・人柄」の4つが軸になること
  • 各士業に広告規程があり、勝訴率・比較広告・誇大表現などが制限されていること
  • 費用の目安と、安心して任せられる依頼先の考え方

本記事の執筆者
ホームページ制作担当の執筆者・高橋丈太郎|中小企業のホームページ制作とWeb集客を支援する代表取締役

執筆者|高橋 丈太郎

株式会社SORAQ|代表取締役

株式会社SORAQ代表取締役。「成果につながるホームページ制作」をテーマに、中小企業のホームページ制作とWeb集客を数多く支援してきました。

「士業専門 ホームページ制作担当」では、制作現場で培った経験をもとに、中小企業の経営者・ご担当者がそのまま実践できるホームページ制作とWeb集客のノウハウを、わかりやすく執筆しています。
(詳しくは代表挨拶をご覧ください)

目次

士業のホームページにはどんな役割があるの?

士業のホームページの役割は、目に見えにくい「信頼」と「専門性」を可視化し、相談へのハードルを下げることです。 モノを売るのではなく、「この先生になら任せられそう」と感じてもらうことがゴールになります。

士業の仕事は、依頼者にとって「内容がわかりにくく、失敗が許されない」ものがほとんどです。
税務調査、相続、労務トラブル、訴訟——いずれも専門外の人には判断が難しく、だからこそ「誰に頼むか」を慎重に選びます。
その判断材料を集める場所が、いまはホームページなのです。

紹介や口コミが中心だった時代と違い、今は依頼者がまず検索し、複数の事務所を見比べてから問い合わせます。
ホームページが古い・情報が薄い・スマホで見づらいと、それだけで候補から外れてしまうことも少なくありません。

担当・髙橋

「うちは紹介中心だから、ホームページは名刺代わりでいい」とおっしゃる先生は多いです。
ですが、紹介された方こそ、会う前に事務所名を検索します。紹介を“受け止める受け皿”としてのホームページがないと、せっかくの紹介を取りこぼすことがあるんです。

つまり士業ホームページは、新規集客だけでなく「紹介や問い合わせの背中を押す」役割も担います。
集客の全体像を整理したい場合は、ホームページで集客する方法もあわせてご覧ください。

士業ホームページで信頼を得る要素は何?

信頼を生む要素は「専門分野・実績・料金・人柄」の4つです。 この4つが揃うと、依頼者は「自分の悩みに合っていて、安心して相談できそう」と感じやすくなります。

まずは4要素を表で整理します。

要素役割掲載のポイント
専門分野「自分の悩みに合う」と感じてもらう相続・労務・債務整理など、得意分野を具体的に
実績・解決事例経験の裏づけを示す本人同意・特定回避が前提。架空・誇張は不可
料金不安を減らし相談しやすくする目安だけでも明示。「相談無料」等も有効
人柄・顔「この人になら話せる」と思ってもらう顔写真・経歴・理念・あいさつ文

表のとおり、士業選びは最終的に「人」で決まる場面が多いものです。
順に見ていきましょう。

専門分野は「広く浅く」より「狭く深く」

依頼者は「自分の悩みドンピシャの先生」を探しています。 「税務全般」より「相続税に強い」、「労務全般」より「就業規則と未払い残業に強い」と書いたほうが、響く相手には強く刺さります。

すべてに対応できると伝えたい気持ちはわかりますが、何でも屋に見えると専門性が薄く感じられます。取扱業務を並べるだけでなく、「どんな悩みの人に、何ができるか」を依頼者の言葉で書くのがコツです。

実績・解決事例は「同意と特定回避」が大前提

実績は信頼の裏づけになりますが、士業では掲載に厳しいルールがあります。
後述のとおり、過去の取扱事件や顧問先の表示は、原則として本人の同意があり、かつ個人が特定されない形にすることが前提です。

担当・髙橋

「解決事例があると説得力が出るから」と、架空のモデルケースを実際の事例のように載せてしまう例を見かけます。
これは規程上アウトになり得ます。事例風に書くなら「あくまで一般的な想定例です」と明記して、実際の解決事例と誤認させないことが大切です。

料金は「目安だけでも」見せると相談が増える

料金が一切わからないと、依頼者は問い合わせをためらいます。「初回相談無料」「相続税申告は◯万円〜」といった目安があるだけで、相談のハードルはぐっと下がります。
ただし料金表示は景品表示法(有利誤認・優良誤認)にも関わるため、条件を省いた安すぎる見せ方は避けましょう。

人柄・顔写真は最後のひと押し

最後に効くのが「人」です。顔写真・経歴・事務所の理念・先生からのあいさつ文があると、「この人になら相談できそう」という安心感が生まれます。
デリケートな悩みを打ち明ける相手だからこそ、人柄が伝わる情報は欠かせません。
写真の準備については写真・素材の準備も参考になります。

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士業ホームページの広告表現で注意することは?

士業の業務広告は「原則自由・例外禁止」で、各士業会の規程で禁止された表現があります。 勝訴率・比較広告・誇大表現などが代表例で、違反は懲戒の対象になり得ます。
ここは一般の事業者と決定的に違う点なので、丁寧に押さえましょう。

弁護士は2000年の日弁連規程、税理士は2001年(平成13年)の税理士法改正で広告が原則自由化されましたが、各連合会の規程・指針で制限が定められています。
媒体はホームページに限らず、SNS・ブログ・リスティング広告・チラシなどすべてが規制の対象とされています。

まず、士業に共通する代表的なNG表現を整理します。

NGになりやすい表現理由
「必ず勝てる」「100%」「税金ゼロ」誇大・過度な期待を抱かせる広告
勝訴率・成功率の数値表示弁護士は規程で表示が制限される
「他事務所より優れている」等の比較各士業とも比較広告は制限される
顧問先・依頼者名の無断掲載守秘義務。原則は本人の同意が必要
架空の解決事例を実例のように掲載事実に合致しない・誤認のおそれ

<small>※上記は各士業会規程の一般的な要点をまとめたものです。
詳細・最新は各連合会の公式規程・指針をご確認ください。
</small>

担当・髙橋

制作側として一番ヒヤッとするのが、先生ご自身が良かれと思って書いた「実績◯件!」「成功率◯%!」という数字です。
集客には効きそうに見えても、規程に触れる可能性があります。原稿は必ず先生にご確認いただき、所属会の規程と照らし合わせる——この一手間を省かないようにしています。

以下、士業ごとの要点です。
いずれも2026年6月時点の情報で、改正されることがあるため最新は公式でご確認ください。

弁護士:所属弁護士会名の表示と「解決事例」に注意

弁護士は、日弁連「弁護士等の業務広告に関する規程」「業務広告に関する指針」と景品表示法が基本の枠組みです。
規程では、事実に合致しない広告・誤認のおそれのある広告・誇大広告・比較広告などが禁止されています。

特に押さえたいのが次の点です。

  • 勝訴率・顧問先・過去の取扱事件などは原則として表示できない(本人同意・特定回避などの例外あり)
  • 所属弁護士会名の表示が求められ、無表示のサイトは違反広告とされ得る
  • 面識のない人へのメール等による「押しかけ的広告」は原則禁止

なお、業務広告に関する指針は令和7年(2025年)2月に改正され、債務整理分野で「国が認めた借金減額制度」など特別に有利な制度があるかのような表現や、「借金減額診断」と称してどのように入力しても減額の可能性があるように見せる表示などが、違反広告の具体例として示されました。債務整理を扱う事務所は、表現に特に注意が必要です。

税理士:「税金ゼロ」「調査がなくなる」はNG

税理士は、日本税理士会連合会の「税理士会会員の業務の広告に関する運用指針」が基本です。虚偽・誇大広告、「税務調査がなくなる」「相続税をゼロにする」といった過度な期待を抱かせる広告、比較広告は禁止されています。

また守秘義務の観点から、現在・過去の顧問先や受任事案の表示は原則できず、委嘱者の利益を損なわず、かつ本人の同意がある場合に限って表示できるとされています。
著名企業の名前を集客に使う広告は原則として認められません。

社会保険労務士:「労使中立」を意識する

社労士は、社会保険労務士法と倫理綱領で品位保持・信用・中立公正が求められます。
社労士は事業主と労働者の双方に関わるため、どちらか一方に偏った印象を与える広告は倫理に反するとされる点が特徴です。

全国社会保険労務士会連合会は本部にネット広告のパトロールの仕組みを設けており、「100%経営者の味方」といった労使中立に反する表現が不適切例として指摘され、報道では多数の広告が是正されたとされています。
広告の運用に関する指針も近年見直されています。

全士業共通:ステマ規制への対応

加えて、2023年(令和5年)10月施行の景品表示法のステマ規制にも対応が必要です。
事業者が表示内容に関与しているのに広告と分からない表示は違反となるため、PRであることの明示や、口コミ・体験談への対価提供を隠さないことが求められます。
広告表現で迷ったときは、依頼前の確認事項をまとめた失敗しない発注のコツもご参照ください。

士業のホームページ制作の費用はどれくらい?

士業ホームページの費用は、依頼先のタイプによっておおむね決まり、自作の月0〜5,000円程度から、制作会社で50万〜400万円程度が目安です。 「士業だから割高」ということはなく、相場は他業種と同じ考え方です。

依頼先タイプ別の目安は次のとおりです。

依頼先のタイプ費用の目安
自作(制作ツール)月0〜5,000円程度
フリーランス15万〜50万円
小規模の制作会社50万〜200万円
中規模の制作会社100万〜400万円
大手・広告代理店400万円〜

<small>※費用は弊社の相談実績や一般的な相場を踏まえた目安です(コーポレートサイト30ページ以内の場合)。
依頼先タイプ別の詳細はホームページ制作の費用相場をご覧ください。
</small>

士業の場合、専門分野の解説ページや実績・料金・スタッフ紹介をしっかり載せると、自然とページ数が増えます。
コーポレートサイトとしての規模感や費用の決まり方は、コーポレートサイトの制作費用ホームページ費用の決まり方で詳しく整理しています。

担当・髙橋

「公開して終わり」にしないことも大切です。
士業は法改正や制度変更が多く、情報が古いと信頼を損ねます
月々の保守(一般的に月5,000〜20,000円程度)で更新や不具合対応を任せられる体制があると安心です。
維持にかかる費用はホームページの維持費もご覧ください。

なお、忘れてはいけないのが維持費です。
ドメインは年1,000〜6,000円程度、サーバーは月500〜5,000円程度、SSLは無料が一般的です。
初期費用だけでなく、公開後にかかる費用も含めて見比べましょう。

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こんなお悩み、ありませんか?

  • 問い合わせや集客につながらなくて…
  • 何から手をつければいいか分からない…
  • 費用相場や自社に合うプランが知りたい…

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まとめ:士業ホームページは「信頼の可視化」と「規程順守」の両立

士業のホームページ制作で押さえたいポイントを整理します。

  • 役割は「目に見えにくい信頼・専門性を可視化し、相談のハードルを下げる」こと
  • 信頼を生む要素は専門分野・実績・料金・人柄の4つ。とくに専門分野は「狭く深く」が効く
  • 各士業に広告規程があり、勝訴率・比較広告・誇大表現・無断の顧客名掲載などは制限される
  • 弁護士は所属弁護士会名の表示、税理士は「税金ゼロ」等NG、社労士は労使中立を意識
  • ステマ規制(PR明示)への対応も全士業共通で必要
  • 費用は依頼先タイプで決まり、制作会社なら50万〜400万円程度が目安。維持費も忘れずに

士業ホームページは「信頼を伝える」ことと「規程を守る」ことを両立させて初めて、安心して使える集客の入口になります。規程や指針は改正されるため、最新は必ず所属会の公式情報や専門家にご確認ください。

よくある質問(FAQ)

1. 士業はホームページに「解決事例」や「お客様の声」を載せても大丈夫ですか?

一般的には、本人の同意があり、個人が特定されない形にすることが前提です。
弁護士・税理士とも、過去の取扱事件や顧問先の無断掲載は原則できません。
架空のモデルケースを実際の事例のように見せるのも避け、想定例なら「一般的な例」と明記しましょう。
最新の扱いは所属会の規程でご確認ください。

2. 「相続に強い」「労務に強い」と書くのは問題ありませんか?

得意分野を具体的に示すこと自体は一般的に問題ありませんが、「必ず解決」「他事務所より優れている」といった誇大表現・比較表現は規程で制限されています。
事実に基づき、過度な期待を抱かせない範囲で表現するのが基本です。

3. 士業のホームページ制作で、補助金は使えますか?

ホームページ単体の制作は、原則として補助金の対象外とされることが多いです。
販路開拓や設備投資の一環として認められる場合もありますが、年度や制度で要件が変わります。
詳しくはホームページ制作と補助金をご覧のうえ、最新の公募要領でご確認ください。

参考(2026年6月時点)

・日本弁護士連合会「弁護士等の業務広告に関する規程」「業務広告に関する指針」(令和7年2月改正)

・日本税理士会連合会「税理士会会員の業務の広告に関する運用指針」

・全国社会保険労務士会連合会 会則・倫理綱領・広告運用指針/社会保険労務士法

・消費者庁 景品表示法(ステマ規制告示・2023年10月施行)

・社労士のネット広告是正に関する報道(2025年)

※規程・指針・制度は改正されることがあります。
最新は各公式情報や専門家にご確認ください。

本記事の監修者
ホームページ制作担当の監修者・川人大展|ホームページ制作とSEO対策・Web集客の専門家

監修者|川人 大展

株式会社SORAQ|Webディレクター・SEOコンサルタント

ホームページ制作会社のWebディレクター・SEOコンサルタントとして、
中小企業のホームページ制作とSEO対策・Web集客の支援に従事。

「士業専門 ホームページ制作担当」では、ホームページ制作やSEO対策、Web集客に関する記事を専門的な観点から監修し、最新の検索エンジン動向とWebマーケティングの実務を踏まえた、正確で信頼できる情報発信を支えています。

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