
「補助金を使えばホームページがタダで作れるらしい」——お問い合わせのなかで、この期待を抱いてご相談に来られる方は少なくありません。
ネット上には「IT導入補助金でHPが作れる」「補助金で数百万円もらえる」といった情報があふれていて、つい鵜呑みにしてしまいがちです。
ですが、弊社が制度の公募要領を毎年確認しているからこそ、先にお伝えしたいことがあります。国の主な補助金で「ホームページ制作だけ」を対象に大きな金額を受け取るのは、現実にはかなり難しいのです。
一方で、使い方しだいで費用の一部をまかなえる制度はたしかに存在します。
本記事では、2026年(令和8年度)時点の情報をもとに、ホームページ制作に補助金が使えるのか・使えるならどの制度か・申請の流れと落とし穴を、煽らず正確に整理します。
制度の数値や条件は年度・公募回で変わるため、最終判断は必ず公式の最新情報でご確認ください。
- 国の主な補助金では、ホームページ制作「単体」は原則対象外、または上限が小さいこと
- 使える可能性がある主な制度は「小規模事業者持続化補助金」「デジタル化・AI導入補助金」「自治体の補助金」の3つ
- 補助金は原則あと払い(立替が必要)で、年度・公募回ごとに条件が変わること
- 申請前に最新の公募要領と自治体・専門家へ確認すべき理由

執筆者|高橋 丈太郎
株式会社SORAQ|代表取締役
株式会社SORAQ代表取締役。「成果につながるホームページ制作」をテーマに、中小企業のホームページ制作とWeb集客を数多く支援してきました。
「ホームページ制作担当」では、制作現場で培った経験をもとに、中小企業の経営者・ご担当者がそのまま実践できるホームページ制作とWeb集客のノウハウを、わかりやすく執筆しています。
(詳しくは代表挨拶をご覧ください)
ホームページ制作に補助金は使える?(結論=HP単体は原則対象外)
結論から言うと、「ホームページを作りたいから」という理由だけで使える国の補助金は、原則ありません。 ネットでよく見る「補助金でHPが作れる」は、半分本当で半分誤りです。
正確には、こういう構図になっています。
- 国の補助金でHP制作費が「全額・単体で」対象になる制度は、基本的にない
- ただし、販路開拓や業務効率化という大きな目的の“一部”としてなら、HP関連費が認められることがある
つまり補助金は「ホームページを作るためのお金」ではなく、「事業を伸ばすためのお金」です。
その取り組みのなかにホームページが含まれていれば、一部が補助される——という考え方が正しい理解です。
担当・髙橋「補助金で実質タダになりますよ」と強くうたう業者には、少し注意が必要です。
年度や公募回で条件は変わりますし、採択(審査通過)は確約できません。
弊社では「使えたら助かる」程度に考えていただくようご案内しています。
なぜここまで誤解が広がるのか。
理由は、制度の名前や数値が毎年のように変わるからです。
次の章で、2026年時点で使える可能性のある3制度を、最新の中身で見ていきましょう。
ホームページ制作に使える主な補助金は?(3制度を比較)
ホームページ関連費に使える可能性がある主な制度は、次の3つです。それぞれ目的・上限・対象が大きく違います。
| 制度名 | HP制作との関係 | 上限の目安 |
|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 販路開拓の一部としてHP費を計上可(単独申請は不可) | ウェブサイト関連費は上限30万円(税込・第20回) |
| デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) | 広告宣伝目的のHP・EC制作は原則対象外 | 対象なら枠により数十万〜数百万円 |
| 自治体・商工会議所の補助金 | 地域により対象。HP単体OKの制度もある | 補助率1/2・上限数十万円が一般的 |
※上限・条件は年度・公募回で変わります。
申請前に必ず各公式の最新公募要領をご確認ください。
ご覧のとおり、「HP制作だけで数百万円」というケースは、この表のどこにも当てはまりません。 ひとつずつ中身を見ていきます。
①小規模事業者持続化補助金(ウェブサイト関連費は上限30万円・単独申請不可)
最初に検討されることが多いのが、中小企業庁(商工会・商工会議所)の小規模事業者持続化補助金です。
販路開拓の取り組みを幅広く支援する制度で、その費用の一部にホームページ関連費を含められます。
2026年(令和8年度)の第20回公募を例にすると、通常枠の補助上限は50万円・補助率2/3。
インボイス特例(+50万円)や賃金引上げ特例(+150万円)などの上乗せ条件を満たせば、最大250万円まで広がります。
ただし、ホームページを考えている方にとって最重要なのは、次の点です。



第20回公募から、「ウェブサイト関連費」には上限30万円(税込)が設けられ、単独での申請ができなくなりました。
チラシ・展示会・店舗改装といった他の販路開拓の取り組みと“セット”でなければ、HP費だけでは申請できません。
つまり「この補助金でHPを作ろう」と思っても、HP関連費だけでは申請が通らない仕組みです。
さらに、細かい注意点として次のような変更もあります。
- 2者以上の相見積もりが必要となる基準が、発注総額100万円超→50万円超(税込)に引き下げられた(第20回)
- ウェブサイト関連費の上限額は、第19回以前の「交付申請額の1/4(最大50万円)」から、第20回で30万円(税込)へ見直された
このように、数値は公募回ごとに変わります。 「去年の情報」で判断すると食い違うので、申請を考えるなら必ず最新の公募要領を確認してください。
②デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金/広告目的のHP・EC制作は原則対象外)
「IT導入補助金でHPが作れる」という情報をよく見かけますが、これは現在では正確ではありません。
2026年度より「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」へ名称が変わり、経済産業省/中小企業基盤整備機構(SMRJ)が実施しています。
そして、最も誤解されやすい点がこちらです。
広告宣伝を目的としたホームページ制作・ECサイト制作は、この補助金の原則対象外です。 EC関連は近年、実質的に対象から外れています。



ここは弊社が一番「事実で正したい」ところです。
古い記事や一部の営業トークでは「IT導入補助金でHP・ネットショップが作れる」と今も語られますが、制度上、見栄えのためのHPやECは対象に入りません。
ここを誤解したまま進めると、申請の段階でつまずきます。
ではこの補助金は何に使えるのか。
対象は事前に事務局の審査を受け、補助金サイトに登録(公開)された「登録ITツール」に限られます。
任意のツールや一般的なHP制作は選べず、IT導入支援事業者を経由して申請する点も特徴です。
対象業務の例は次のとおりです。
- 会計・財務、受発注、決済、人事・労務など
- 顧客対応・販売促進(予約システム、AIチャットボット等の登録ツール)
- クラウド利用料、相談対応費 など
補助上限・補助率は枠によって幅があり、数十万円〜数百万円規模が目安です。
金額や対象範囲は年度・公募回で大きく変わるため、最新の枠・上限は必ず公式(SMRJ)でご確認ください。
押さえておきたい線引きはシンプルで、「業務を効率化する仕組み」には使えるが、「見せるためのHP」には使えない——ここを理解しておけば誤解しません。
なお、ネットショップそのものの費用ではなく、予約や受発注など業務面の効率化が狙いなら検討の余地があります。
EC全体の費用感はECサイトの制作費用相場、コーポレートサイトの費用感はコーポレートサイトの制作費用も参考にしてください。
③自治体・商工会議所の補助金(地域ごとに大きく異なる)
意外と見落とされがちですが、所在地の自治体(市区町村・都道府県)や商工会・商工会議所が、独自にHP制作向けの補助金を設けていることがあります。
国の制度より小規模ですが、HP単体が対象になるケースもあるのが特徴です。
一般的な傾向は次のとおりです。
| 項目 | よくある内容 |
|---|---|
| 補助率 | 1/2程度が多い |
| 上限額 | 数十万円規模(例:上限30万円など) |
| よくある要件 | 創業・操業から一定期間経過、年1回申請、予算到達で締切 |
たとえば北海道稚内市の「中小企業振興助成金(販路拡大支援事業助成金)」では、補助率1/2・上限30万円でホームページ制作(新規制作などの外部委託費)を対象に含めています(地域の一例。
金額・条件は変更されることがあります)。



自治体の補助金は「地元の隠れた特典」のようなものです。
全国共通ではないぶん、知っている人だけが使える。まずは所在地の役所サイトと、地元の商工会議所に問い合わせるのが一番の近道です。
ただし内容は地域ごとに大きく違い、毎年変わります。
予算上限に達した時点で締め切られることも多いので、「自分の地域に制度があるか」を早めに確認することが大切です。


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補助金利用の流れはどうなる?(申請〜交付までの5ステップ)
補助金は「申し込めばすぐもらえる」ものではありません。採択(審査通過)と実績報告を経て、最後にお金が入るという流れを理解しておきましょう。
おおまかな手順は次の5ステップです。
- 制度を選び、最新の公募要領を確認する:上限・対象経費・締切・要件を公式で確認します
- 事業計画書を作成し申請する:何のために・どう販路を広げるか、目的を具体的に書きます。持続化補助金なら商工会・商工会議所のサポートを受けられます
- 採択の審査を待つ:審査を通って初めて「交付決定」。ここで落ちる場合もあります
- 交付決定後に発注・制作・支払いを行う:原則、交付決定“前”に契約・支払いをすると対象外になります
- 実績報告を提出し、補助金が振り込まれる:内容が認められて初めて入金(=あと払い)です



一番つまずきやすいのが「交付決定の前に発注してしまう」パターンです。良かれと思って先に制作を始めると、その費用が補助の対象外になることがあります。
スケジュールは制作会社とよく相談して組みましょう。
ポイントは、申請から入金まで数か月かかること、そしていったん全額を自社で立て替える必要があることです。
資金繰りの計画とセットで考える必要があります。
補助金で失敗しないための注意点は?(あと払い・対象外経費・制作会社選び)
最後に、弊社が相談現場でよくお伝えする3つの注意点をまとめます。
これを知らずに進めると、「思っていたのと違う」となりがちです。
①補助金は原則「あと払い」。
立替資金が必要。
先ほど触れたとおり、お金が入るのは制作・支払いがすべて終わったあとです。「補助金が出るから手元資金ゼロでOK」ではありません。 一時的に全額を用意できるか、先に確認しましょう。
②対象になる経費・ならない経費がある。
同じHP制作費でも、対象になる部分とならない部分が分かれることがあります。
たとえば持続化補助金では、HP費だけの単独申請は不可。
デジタル化・AI導入補助金では、広告目的のHPは対象外です。「うちのケースは何が対象か」を申請前に詰めるのが失敗回避の近道です。
③「補助金ありき」で制作会社を選ばない。



「補助金対応」をうたう業者のなかには、補助金を前提に費用を高めに設定し、結果として自己負担が普通に頼むより高くなるケースもあります。
補助金はあくまで“オマケ”。
本来かけるべき適正な制作費かどうかを、先に見極めてください。
費用を賢く抑える考え方はホームページ制作費を安く抑える方法で詳しく解説しています。
そして大前提として、制度・税務・金額の最終判断は、必ず公式の最新公募要領や、商工会議所・税理士などの専門家に確認してください。
本記事の数値も2026年時点の一例であり、年度・公募回で変わります。
弊社でも、補助金を使いたいお客様には「まず制度が使えるかの確認」からご相談に乗っています。
費用全体の相場はホームページ制作費用の相場ガイド、自社に合う進め方を知りたい方は無料相談へ、料金の全体像は料金プランをご覧ください。
まとめ:補助金は「使えれば助かるが、当てにしない」が正解
- 国の主な補助金では、ホームページ制作「単体」は原則対象外、または上限が小さい
- 使える可能性があるのは持続化補助金(HP費は上限30万円・単独不可)/デジタル化・AI導入補助金(広告目的HP・ECは対象外)/自治体の補助金(地域差大)の3つ
- 補助金は原則あと払いで、交付決定前の発注は対象外になりやすい
- 数値・要件は年度・公募回で変わるため、必ず最新の公募要領と専門家に確認する
ホームページ制作の補助金に関するよくある質問
- 補助金でホームページを無料(タダ)で作れますか?
-
原則できません。
国の補助金はHP制作費の「全額・単体」を対象にしていないうえ、補助率も2/3や1/2が中心です。
さらにあと払いのため、いったんは自社で全額を立て替える必要があります。
「実質タダ」という説明は鵜呑みにしないでください。 - IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)でホームページは作れますか?
-
広告宣伝を目的としたホームページ・ECサイトの制作は原則対象外です。
対象は登録された「ITツール」で、予約システムや会計・受発注など業務効率化に資するものに限られます。
「IT導入補助金でHPが作れる」という情報は、古いか不正確なケースが多いのでご注意ください。 - 自分の会社が補助金を使えるか、どこで確認すればいいですか?
-
国の制度は各公式サイトの最新公募要領(中小企業庁・SMRJ等)、地域の制度は所在地の自治体サイトや商工会・商工会議所で確認できます。
要件や上限は毎年変わるため、申請を考えた時点で最新情報を必ずチェックしてください。
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監修者|川人 大展
株式会社SORAQ|Webディレクター・SEOコンサルタント
ホームページ制作会社のWebディレクター・SEOコンサルタントとして、
中小企業のホームページ制作とSEO対策・Web集客の支援に従事。
「ホームページ制作担当」では、ホームページ制作やSEO対策、Web集客に関する記事を専門的な観点から監修し、最新の検索エンジン動向とWebマーケティングの実務を踏まえた、正確で信頼できる情報発信を支えています。
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